ユニバーサルデザインとは「すべての人のためのデザイン」という意味です。私達の住む社会にはいろいろな方がいます。性別・年齢・身長・身体の特徴、家族構成や人種など、生まれつきの違いのほかにも、趣味、性格、好みの ようにあとから身につく違いもあります。人はそれぞれの違いを持っています。こうした違いや使われ方を良く考えないで物を作ると、人によって使いにくかったりわかりにくい商品になってしまう場合があります。いろいろな違いをもっているすべての人にとって使いやすく、わかりやすいデザインにすること、それがユニバーサルデザインの考え方です。
洗面所の蛇口は、奥にある取っ手を回さなくてはならないため、車いすの方や背の低い子ども、お年寄りの方や握る力が弱い方には使いにくいという問題がありました。
簡単に水を出すことができるように、取っ手をレバー式に替えています。でも、場所によって上げると出るもの、下げると出るもの、回すとでるものがあり、わかりにくい場合があります。奥まで手を伸ばさなければならないことは変わりません。
利用する方にとって一番うれしいのは、手を差し出すと水が出ることではないでしょうか。これなら洗ってきれいになった手で汚れた取っ手を回して水を止める必要もありません。また、自動で止まるので、流したままになることもありません。
立ち上がらないと映らないので、車いすの方や子どもには使いにくいという問題がありました。
車いす用に鏡を下向きにつけています。今度は、立っている 人の顔が映りにくくなってしまいます。
鏡を縦長にすれば、だれにでも使いやすくなっています。
バスに乗る時の段差が大きいので、車いすの方やお年寄りの方、 ベビーカーを押している方は使えなかったり、 乗り降りするのが危なかったりするという問題がありました。
アメリカにはバスを改造して車いす用のリフトをつけたものが あります。しかしこのバスはお年寄りの方やベビーカーでは 使えません。またリフトをしまっておくためのスペースが必要 なため、座席数も減ってしまいます。
乗り降りするときの段差をなくせば、誰でも使えるように なります。このようなデザインのバスは、 日本でもかなりの台数が走り始めています。